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枯山水庭園は室町時代の中頃から作られるようになった様式で、水を使わず砂や石で水の流れや山を表現する。中でも水を表現するのに重要な役目を果たしているのが白砂に描かれる砂紋。触っても冷たい水は無いけれど、この模様があるからこそ水を感じることができるのだ。この模様、いつ誰が、どんな道具でつけているのだろうか。 龍安寺の場合、花園大学で禅を学んでいる学僧が、修行の一環として砂熊手で描いているという。掃除用の熊手は一般的に竹製だが、竹ではしっかりと砂に食い込まず線がつきにくいため、龍安寺では重みのある鉄製のものを使用している。ちなみに砂熊手は庭師や造園業者がそれぞれの模様に合わせて特注で作っていて、呼び名もレーキなどさまざまだという。 線を引く作業はおよそ十日に一度の割合で庭に入り行う。